2017年2月16日のブログです。
2年前のテロについて、綴っています。
私はParisが大好き。
なぜこんなにParisが好きなのだろうと考える。
フランス人の自由なところが好き。
人生に情熱を持っていることが好き。
街並みの美しさが好き。
ワインとチーズが好き。
スタイルを持っていて、ぶれない軸を持っているところが好き。
自分に自信を持って、自分を表現しているところが好き。
日本人でも同じようなマインドを持っている人はいるはず。
だけど、何かで抑圧され、それを表現できない。
そしてそういうマインドを持っていることも何かに埋もれてしまう。
私は自分の住む港町の、祖母と過ごした風景が大好きだけれど、
日本でよく見かける私の嫌いな街並みになりつつある。悲しいことに。
そしてさらに悲しいのは、無意識であるということ。
ハイヒールで歩くにも、意識は不可欠である。
でも日本は無意識に、綺麗な風景を壊してくだらない建物に変え、
美しいものがどんどんなくなってきている。
私がParisで大好きなものの一つが、
カフェで語り合う人たちをみること。
スマートフォンを触っている人は、いない。
2015年11月13日(金)
この日、私はParisにいて、
ASAMIさんの5日間のオートクチュールを終えた。
前日に購入した黒のルブタンで。
午前中のレッスンであったので、終わってその足で、
プレゼントを買うためにギャラリー・ラファイエットへ出掛けた。
その日は、その時一緒にParisへ行った妹の誕生日であった。
お昼過ぎにカフェで待ち合わせて大きなビールを飲み、
美術館に行き、サントノレ通りまで戻って、
叔母に頼まれたものを買いにあるメゾンへ行った。
叔母に頼まれたものと、おそろいで母へのお土産を購入し、
自分の赤いストールも購入した。
それからディナーへ出掛けた。
もちろん私はハイヒールで。
20時から予約していた、リヨン駅の中のレストラン。
列車好きの妹の希望で、予約していた。
店内はとても混み合っていたけれど、
それぞれみんな楽しそうに語り合っていた。
私の大好きな風景なので、それを妹に語っていた。
年齢に関係なく、スマートフォンを弄る人もなく、
ほんとうに、幸せで完璧であった。
妹はプレゼントのブローチを大変喜んでくれた。
コースでお願いしており、
食前酒とは別に一人に一本ずつハーフボトルが出ていた。
すっかり酔いも回って、いい気分でまた地下鉄に乗って、
帰っていた時、大変たくさんの警察官が乗っていた。
私はそれを深く考えなかったが、
そのとき所謂パリ同時多発テロが起こっていた。
誰もスマートフォンを見ないので、
誰もそんな近くで大変なことが起きるていることを
気付かなかったし、騒ぎも起きなかった。
テロが起きて一時間後くらいにレストランを出たのだけれど、
テロの前後も、レストランは私の好きな雰囲気で完璧であった。
ホテルに帰ると妹の携帯電話に先輩からのメールが来ており、
事態を知った。
言葉がわからないなりにテレビを付けると
オランド大統領が演説しておられた。
私は思った。
Parisの愛すべき人々の人生と愛すべき美しいものが、
これ以上絶対に失われませんように。
それくらい、私にとって素晴らしい完璧な一日だった。
あの日は。
テロがあっても、揺るがない。
ASAMIさんからは心配していただいて、
たくさんメールをいただいた。
その中で、ASAMIさんのクライアントの方で
ASAMIさんのブログを見ていた方が、
会ったこともない私の心配をしてくださっていることをお聞きした。
そして、改めて私は美しい世界に生きていると思った。
すでに美しい世界にいる自分を、
無意識という毒で社会に迎合することなく、
さらにハイヒールで美しくしたい。
自分を解放し、表現したい。
そのマインドがあれば、テロなど脅威でなく、
それ以降も2度Parisへ訪れている。
美しくあるため、どんなことがあってもParisへ帰る。
広島より、愛と感謝を込めて。
Belle passion YUKIKO